今、これから即身仏になることを目指すことは可能であるかどうかについての考察をしたいと思います。
○即身仏になるためには
即身仏になるということは即ち即身仏として祀られるということである。つまりいくら本人が『即身仏になることを強く望んだ』としても信者や弟子達が即身仏として祀ってくれなければ、即身仏になることができないわけであり、それには人手も金も掛かる。
また遺体の腐敗防止作業をしたことが伝承されているケースも多い。そういう意味では他人の力を借りずに即身仏になるということは本来あり得ないわけである。現在ではそうした他人の力を借りるという行為が法律に抵触することが濃厚である。
では具体的にどういった法律に抵触すると考えられるのか以下で考察することとする。
○法律上の壁(刑法第189条)
刑法第189条(墳墓発掘)
墳墓を発掘した者は、2年以下の懲役に処する。
※土中入定した即身仏志願者を掘り起こす行為はこの条文に抵触するものと思われる。
○法律上の壁(刑法第190条)
刑法第190条(死体損壊罪等)
死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。
※即身仏志願者の遺体に腐敗防腐処置を施す行為や即身仏として祀る行為は、この条文に抵触するものと思われる。
○法律上の壁(刑法第202条)
刑法第202条(自殺関与及び同意殺人)
人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、6月以上7年以下の懲役又は禁錮に処する。
※即身仏になるという行為は自ら餓死をするという行為にほかならない。つまり即身仏志願者の手助けをするという行為は自殺幇助となり、この条文に抵触するものと思われる。
○まとめ
※以上、結論としては、現在でも即身仏になることは「物理的」には可能だろうと思われますが、『法律的』にはアウトであると思われます。
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