梅花皮大滝(世界百名瀑)
所在地→山形県小国町小玉川
滝との密着度→滝の近くまで行ける。
滝を見た時の感激度→☆☆☆☆
梅花皮大滝。この滝は世界百名瀑にも選ばれている滝であるが、その知名度はほとんどといってよいほどにない。なぜならば、この梅花皮大滝は飯豊連峰の玉川梅花皮沢滝沢を登り詰めたところにあるのだが、この梅花皮沢を登り詰めるのは常人には不可能だと言われているほどに難易度が高く、一般の方はおろか、滝好き、滝マニアですらその姿を見たことがある人は皆無に等しい「まさに」『秘瀑中の秘瀑』だからである。(このように人の目にほとんど触れることがないため幻の大滝とも言われている。)
しかしながら雪が沢を埋め尽くしている時期に限り、その雪渓を登って滝の近くまで行くことが可能となるとのことだったので、私はそのタイミングを狙ってアタックをした。困難を極めると言われている梅花皮大滝への道のりではあるが、雪が沢を埋め尽くしていたので、思いの外に快適にサクサクと進むことができて気が付けばあっという間に滝の前まで行くことができた。こう書いているといやにあっさりサクッとたどり着いたように思えるかも知れないが、実は雪渓というのは常に危険と隣り合わせであり、雪渓の危険性を理解しておく経験と知識が要求されるので、誰もが来られるところではなく、また、様々な条件に恵まれていないと梅花皮大滝まで行くことはできない。
その条件とは当たり前であるが『雪が梅花皮沢を埋め尽くしていること』である。であるならばまだ雪が十分に残っている春先に行けばいいのでは?と思うかも知れないが、逆に残雪が多い時期では梅花皮大滝へのアタックポイントである林道入口までの車道が雪で通行ができないのである。つまり林道入口までの通行禁止が解除された時期にまだ十分な雪渓が残っていることが前提条件となるのである。
さて、前振りが長くなったが、この梅花皮大滝は7段に分かれて落ちる段瀑で総落差は日本の滝の中では二番目に大きい270mとされる超ド級で桁違いのスケールの滝である。しかしながら、滝は「く」の字のように曲がりながら落ちているためすべての段を観ることができない。
また、下流の沢も「逆くの字」となっているため、下流より遡上しているとその立ち位置により見える段が変わってくるなど実にもどかしい。(結局のところ、どこから観ても梅花皮大滝の全景を観るのは無理ではないかとのことである。)
尚、超遠望で良ければ梶川屋根の滝見場(滝との距離約1.6キロ)、倉手山の山頂(滝との距離約5キロ)、樽口峠の展望台(滝との距離約8キロ)からもその姿を観ることは可能である。が、これとても、梶川屋根の滝見場と倉手山の山頂に行くためには急登が厳しい登山をする必要があるため、やはり一般的ではない。唯一、樽口峠の展望台までは車で行くことができるが、梅花皮大滝までの距離は約8キロもあり、わずかに肉眼でギリギリ見えるというか、何とか確認ができるというのみである。このように日本有数の大瀑布でありながら、一般的には到達困難でその姿を観ることができないこと、どこから観てもその全景を観ることができないこと、知名度はないに等しいなど、まさに幻の大滝と呼ばれるにふさわしい秘瀑中の秘瀑であるといえよう。
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