一之宮の成立時期について
一之宮の成立時期であるが、現在のところ、鳥取県の倭文神社(伯耆国の一之宮)の境内より出土した康和5(1103)年と刻銘された経筒(山陰道伯耆国河村東郷後坐一宮大明神と記されている)が、一之宮に関する年代・社名の明確となる初見例とされている。
また12世紀中頃に成立したと推定されている「今昔物語集」にある「周防ノ国ノ一宮ニ玉祖ノ大明神」という記述も、ほぼ同時期のものだと考えられる。このほか「中右記」の元永二(1119)年の記事(因幡国の宇倍神社)も古い。
尚、このほかの神社についても初見史料は12世紀中頃から13世紀初め頃に集中しているので、ほぼこの頃に一之宮制度が確立したのではないかと考えられている。
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