すべての五重塔との対面を終えて…




すべての五重塔との対面を終えて…

2008年11月29日、佐渡島にある妙宣寺の五重塔を訪ねた私は日本に現存するすべての五重塔との対面を果たし終えました。

しかし『あと、妙宣寺の五重塔さえ観ることができれば、日本に現存するすべての五重塔との対面を果たし終えることができる』そんな状態の中、佐渡島へと向かった私でしたが、あと一つで五重塔完全制覇達成という状況であったにも関わらず、私のテンションは一向に上がることはありませんでした。

完全制覇達成といえば、この1年余り前に私は日本に現存するすべての即身仏との対面を果たし終えたのですが、その時に最後の即身仏に逢いにいく道中で何とも言えぬ抑え難い高揚感をビンビンに感じまくっていたのとはまるで好対象で、自分でもビックリするくらい落ち着きはらっている「自分自身」を客観的に観察する余裕があったほどです。

結局、妙宣寺の五重塔は事前に想像していたものよりも遥かに素晴らしい塔で感動もひとしおでしたが『日本に現存するすべての五重塔との対面を果たし終えた、五重塔の完全制覇を達成した』という事実についてはやり遂げたという達成感や到達感や満足感を得ることもなく、ほとんど何の感情も持たずにむしろ冷めていたというのが実際のところでした。

前述の日本に現存するすべての即身仏との対面を果たすべく、最後の一体となった即身仏に逢いに行った時に、きっと即身仏の完全制覇を達成した暁には自分自身に何らかの劇的な変化が起こるのではないかと猛烈な期待をしていたにも関わらず、結局それらしいことは何も起こらなかった経験から単に完全制覇を成し遂げるということには何ら意味を見出だすことができなくなっていたのだろうと思います。

また完全制覇を達成したからといっても、それでもう五重塔の訪問は二度としないということでもありません。事実、私は完全制覇を成し遂げた後にも心底感動した法隆寺や醍醐寺や明王院や室生寺の五重塔などには再訪問をしています。(結局、もう一度すべての五重塔を訪ねたので、2周したことになりました

つまり私はすべての五重塔との対面を果たすために仏塔巡りをしていたのではなく、単に五重塔が好きなので一つでも多くの五重塔を目にしたいという気持ちから五重塔巡りをしていたわけであり、結果、気が付いたら現存するすべての五重塔の訪問を達成していたというだけの話しで、それは単なる通過点に過ぎないものだったわけです。

そして何といっても、日本には五重塔のみならず、三重塔も多数現存しています。こちら(三重塔)はわずかに二十二基しか現存していない五重塔とは違い、実に百基以上も現存しています。私は五重塔と同じように三重塔も好きなのでコツコツと訪ね歩いてはいますが、いつかすべての三重塔との対面を達成する日は果たしてやってくるのだろうか…。

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日本全国の五重塔・三重塔を巡る旅

 

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1 個のコメント

  • 1739年に建立され、4度移築され、阪神大震災で倒壊を免れた、宝塚市の長谷川邸三重塔も掲載して頂けませんか。

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