武将たちの辞世の句




武将たちの辞世の句

『あ行』

『赤松教康』
頼む木の 陰に嵐の 吹きくれば 春の緑も 散果てにけり

『足利義輝』
五月雨(さみだれ)は つゆか涙か 時鳥(ほとどきす) わが名をあげよ 雲の上まで

『足利春王丸』
夏草や 青野が原に 咲くはなの 身の行衛こそ 聞かまほしけれ

『足利安王丸』
身の行衛 定めなければ 旅の空 命も今日に 限ると思へば

『石田三成』
筑摩(ちくま)江や 芦間に灯す かがり火と ともに消えゆく 我が身なりけり

『今川氏真』
なかなかに 世をも人をも 恨むまじ 時にあはぬを 身の科にして

『大石内蔵助』
あらたのし 思ひは晴るる 身は捨つる 浮世の月に かかる雲なし

『大石主税』
あふ時は かたりつくすと おもへども わかれとなれば のこる言の葉

『織田信孝』
昔より 主(あるじ)内海(討つ身)の 野間なれば むくいを待てや 羽柴筑前

『か行』

『楠木正行』
返らじと かねて思えば 梓弓 なき数に入る 名をぞとどむる

『さ行』

『西園寺公廣』
黒瀬山 峰の嵐に 散りにしと 他人には告げよ 宇和の里人

『真田信之』
何事も 移ればかわる 世の中を 夢なりけりと 思いざりけり

『島津忠良』
急ぐなよ また留まるな わが心 定まる風の 吹かぬ限りは

『清水宗治』
浮世をば 今こそ渡れ 武士(もののふ)の 名を高松の 苔に残して

『少弐政資』
花ぞ散る 思へば風の 科(とが)ならず 時至りぬる 春の夕暮

『諏訪頼重』
おのづから 枯れ果てにけり 草の葉の 主あらばこそ 又も結ばめ

『た行』

『武田信満』
梓弓 ひきそめし身の そのままに 五十あまりの 夢やさまさん

『武田義信』
雲もなく 晴れたる空の 月かげに よるとはみえぬ 瀧の白糸

『徳川家康』
うれしやと 二度(ふたたび)さめて ひとねむり 浮世の夢は 暁の空

『豊臣秀吉』
つゆと落ち つゆと消へにし 我が身かな 浪速のことも 夢のまた夢

『な行』

『は行』

『別所長治』
今はただ 恨みもあらじ 諸人の 命に代はる 我が身と思へば

『細川高国』
絵にうつし 石をつくりし 海山を 後の世までも 目かれずや見む

『ま行』

『三浦義同』
討つ者も 討たるる者も 土器(かわらけ)よ くだけて後は もとの塊(つちくれ)

『源頼政』
埋もれ木の 花咲くことも なかりしに 身のなる果てぞ 悲しかりける

『や行』

『番外編』

『崇徳上皇』
思ひやれ 都はるかに 沖つ波 立ちへだてたる 心細さを

『細川ガラシャ』
散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ

 

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