根岸競馬場一等馬見所跡(近代化産業遺産)
横浜市中区にある根岸森林公園は慶応3(1867)年にわが国最初の洋式競馬が行われた場所で、昭和18(1943)年6月まで日本初の本格的競馬場である「根岸競馬場」として利用されていた跡地に作られた公園である。
この旧根岸競馬場には馬場のほかに一等馬見所、二等馬見所、下見所などの施設があり、全ての施設はアメリカ人のJ・Hモーガンによる設計だった。
戦後は米軍に接収され、住宅地やゴルフ場などに使用されていたが、昭和44(1969)年に日本に返還されると日本建築学会は「貴重な歴史的文化遺産」として横浜市に保存を申し入れ、横浜市では昭和47(1972)年から整備に着手、中央競馬会による競馬記念公苑とともに、昭和52年10月1日に根岸森林公園として開園した。
尚、接収解除された部分に残されていた一等馬見所、二等馬見所、下見所の3つの建物は、貴賓室などを持つ一等馬見所を除いて取り壊され、旧根岸競馬場の施設として現存しているのは昭和5(1930)年に建設された一等馬見所のみであるが、平成21(2009)年には経済産業省による「近代化産業遺産」に指定された。
しかしながら、現在も旧根岸競馬場の周辺は米軍の接収地と入り混じっていて、一等馬見所は残念ながら後ろ側からしか見ることができない。
そこでGoogle Earthで観覧席側がどうなっているのか見てみることにした!
う~ん、やっぱりスゴい!是非いつか観覧席側にも立ち入ることができるようになることを願う。
では、改めて一等馬見所を観察してみる。
一目見ただけでその圧倒的な存在感に度肝を抜かれる。
丸窓が「何かの目」のように見える。ある意味不気味だ。
この塔の最上階には囚われたお姫様がいるのではないかという雰囲気がある。
まるで埋もれた古城のような、古代遺跡のような、ファンタジーの世界のような雰囲気である。
なぜこれほどまでの歴史的な遺構が打ち捨てられているかのように放置されて廃墟となってしまっているのか。
ホーンデットマンションのようにも見える。
カラスの群れ?が押し寄せるなど何とも退廃的な雰囲気だ。
この建物はコウモリの棲み処になっているのではないか?という想像が膨らむ。
というか、きっとこの建物の中には吸血鬼ドラキュラ伯爵が住んでいるに違いない。
見る角度によってはランドマークタワーと併せて見ることもできる。
横浜の中区にこれほどまでに巨大な廃墟が現在まで残されているとは。。。何とも驚きである。
所在地→神奈川県横浜市中区簑沢13−283
根岸競馬場全体図
根岸競馬場一等観覧席設計図(1928年9月)
根岸競馬場一等観覧席設計図及び写真(1929年3月)
根岸競馬場一等観覧席写真(1930年頃)
根岸競馬場二等観覧席設計図(1928年9月)
根岸競馬場二観覧席写真(1930年頃)
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