鎌倉十二所のやぐら群




鎌倉十二所のやぐら群

鎌倉の十二所にあるやぐら群は鎌倉から金沢へと抜ける金沢街道沿いの崖から発見?されたものである。

「やぐら」とは中世に鎌倉幕府が置かれた鎌倉周辺に限定して分布している極めて特殊な切り立った岩肌をくり抜いて造られた横穴式の墓である。

これは三方を山、一方を海に囲まれた天然の要害都市である鎌倉では必然的に平地が極端に少なく、幕府が置かれたことにより、人口が急増した鎌倉市中に墓所を営むことを幕府が禁止したため、やぐらが造られるようになったのではないかと推測されている。

現在、鎌倉周辺に点在しているやぐらの数は約1200基、土中深く埋もれたものを含めると2000基以上という資料もあれば一説には3000基~4000基のやぐらがあるとも言われている。

このやぐらもそうした土中深く埋もれたやぐら群の一つであると思われるが、やぐらの目の前にお住いの方曰く、元々この場所にはやぐらのようなものがいつくかあった(というか、見えていた)そうであるが、以前は草木に覆われていて全容はわからなかったとのことである。

しかしながら、近年その崖が崩壊する恐れがあるということで、対策工事をするために木々の伐採したところ、いつくものやぐらが出てきたそうである。

発見されたやぐらの中には五輪塔が残されているものもあったそうで、行政による調査も行われたそうである。(当該地の所有者は神奈川県であると、その方はおっしゃっていた。)

鎌倉にはそれこそ「あちこちにやぐらがある」とはいえ、これだけの数のやぐらを一望できることは大変珍しいので、是非何とか保存してほしい所であるが、発見の経緯が以上のようなこともあり、また、実際に崖が崩れた箇所もあることなどから、今後は茶色のネットで防護対策がなされる予定とのことであった。

つまり見学するのであれば『今がチャンス?』というか、『今しかない?』のかも知れないのである。

尚、アプローチをするならば鎌倉七切通しの一つである朝夷奈(朝比奈)切通しへと至る旧道からアプローチをする形となる。

所在地→神奈川県鎌倉市十二所

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください