御祭神が降臨した禁足地に建つ大洗磯前神社の『神磯の鳥居』
神磯の鳥居は平安時代に大洗磯前神社の御祭神である大己貴命と少彦名命が降臨した「神磯」と称される岩礁に建てられた鳥居である。
波が打ち寄せて白い波しぶきが舞う景観はまさに絶景で、古くから景勝地として知られていて、かの水戸光圀(徳川光圀)公が大洗磯前神社を参拝のおりに「あらいその 岩にくだけて 散る月を 一つになして かへる浪かな」とその景観を称えて歌を詠んだことはつとに有名である。
現在、その岩礁は「神が降り立った神聖な場所」として禁足地されているが、波打ち際まで行くことができるので、太平洋を背景とした雄大で力強い景観を堪能することができる。
「晴れてる日」、「曇っている日」、「雪が降り積もっている日」、「荒波が立っている日」など、日によってもその景観が変わるので、何度でも訪ねたいスポットである。
また、日の出の時間に訪ねれば海と朝焼けを背景にして、より一層神々しい姿を見ることができる。
文徳天皇実録によれば、斉衡3(856)年12月29日に突如として海が光り輝き、常陸国鹿島郡大洗の地に降臨し、その時、里人の一人に神憑りをして「我は大奈母知・少比古奈命なり。昔、この国を造り常世の国に去ったが、人々の難儀を救うために再びこの地に帰ってきた」と仰せられ、この地に大洗磯前神社が創建されたという。
尚、私が訪ねた時には『気嵐』という海面にまるで湯気が立ち上ってるかのような幻想的な景観も見ることができて、とても運が良かった!
ちなみに『気嵐』とは「水面の温度と空気の温度との差が大きい時に、水面から蒸発した水蒸気が冷たい空気に冷やされて湯気のように見える現象(蒸気霧)で、晴れて風が弱い時、特に放射冷却で冷え込んだ朝に見られる現象」であるらしい。
所在地→茨城県大洗町磯浜町
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