わが君は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで 出典:古今和歌集 作者:読み人知らず 意訳: 小さな石が長い年月をかけて大きな岩となり、さらにそれに苔が生えるまで、千年万年といついつまでも、あなたが長生き…
CATEGORY 心を打つ美しい日本語
美男におわす 夏木立かな
かまくらや みほとけなれど 釈迦牟尼は 美男におわす 夏木立かな 作者 : 与謝野晶子
汝や知る 都は野辺の 夕雲雀 上がるを見ても 落つる涙は
汝(なれ)や知る 都は野辺の 夕雲雀(ひばり) 上がるを見ても 落つる涙は 出典:応仁記 作者:飯尾彦六左衛門尉常房 意訳: お前は知っているだろうか。都はこの大乱で無残にもすっかり焼け野原となってしまった。そんな荒れ果…
なにごとの おはしますかは 知らねども かたじけなさに 涙こぼるる
なにごとの おはしますかは 知らねども かたじけなさに 涙こぼるる 作者 : 西行 意訳: ここにどのような神がいらっしゃるのかは存じ上げないが、身にしみるようなありがたさがこみ上げてきて、思わず涙がこぼれてしまった。 …
武将たちの辞世の句
武将たちの辞世の句 『あ行』 『赤松教康』 頼む木の 陰に嵐の 吹きくれば 春の緑も 散果てにけり 『足利義輝』 五月雨(さみだれ)は つゆか涙か 時鳥(ほとどきす) わが名をあげよ 雲の上まで 『足利春王丸』 夏草や …
世中を はかなき夢と ききながら
世中を はかなき夢と ききながら いつまでさめぬ 心なるらむ 出典 : 新続古今和歌集 作者 : 邦省親王 解説 : 鎌倉時代後期以降、皇統は持明院統と大覚寺統に分裂した。その後、鎌倉幕府の仲介により、以後は持明院統と大…
末の世の 末の末まで 我が国は 万(よろず)の国に すぐれたる国
末の世の 末の末まで 我が国は 万(よろず)の国に すぐれたる国 出典 : 蒙古降伏祈願文 作者 : 東巌慧安禅師 解説 : 東巌慧安禅師は正伝寺の開基で、蒙古襲来の国難に当たって岩清水八幡宮に参籠し、敵国降伏の祈祷文を…
ふすまの中の 我もはづかし
さむからし 民のわらやを 思ふには ふすまの中の 我もはづかし 作者 : 光厳天皇 意訳 : 風が入り込んで寒々しい民の家を思うと、ふすまに囲まれた中にいる私は恥ずかしい気持ちである。 解説 : 光厳天皇は南北朝時代の北…
満城の紅緑誰が為に肥ゆる。
残民争採首陽蕨 残民争ひて首陽の蕨を採る、 処々閉炉鎖竹扉 処々炉を閉ざし竹扉を鎖す。 詩興吟酸春二月 詩興の吟は酸たり春二月、 満城紅緑為誰肥 満城の紅緑誰が為に肥ゆる。 作者 : 後花園天皇 意訳 : 人々は飢え…
深くしれ 人の有(ある)をぞ 世とはいふ
深くしれ 人の有(ある)をぞ 世とはいふ そむかば人の 世もあらじかし 出典 : 拾玉集 作者 : 慈円 解説 : 人がいるからこそ世の中なのである。 俗世を厭うのは人の世を否定することだ。