異様な姿ながらも周囲の景観の中に溶け込んでいる『首地蔵』




異様な姿ながらも周囲の景観の中に違和感なく溶け込んでいる『首地蔵』

首地蔵は山梨市の市街地から甲府市積翠寺に向かう県道31号を車で走っていると突如として道端に現れるお地蔵様である。

言うまでもなく、その名の通り『お地蔵様』なのだろうが、その姿は一般的にイメージするお地蔵様とは遠く離れた独特なお姿をしている。

この首地蔵は胴体部分に見立てられる巨石の上に『頭部』が乗せられている至ってシンプルな石仏である。

類似のものに「万治の石仏」があるが、万治の石仏が胴体部分に阿弥陀様が刻まれているのに対して、この首地蔵には何も刻まれていない。

尚、この首地蔵は車の往来する道端にあり、首地蔵の周りにはゴミの集積所や街頭などがあり、何の違和感もなく周囲の景観の中に溶け込んでいる。

おそらくこの首地蔵は何百年もの間、この集落の村人たちと長い長い年月を過ごしてきたので、ごく自然で何の違和感も感じないのではないだろうか?

ちなみに現地の案内書には首地蔵の由来が以下のように紹介されていた。

昔、大雨が続いて山の地盤がゆるみ大きな土砂崩れが起きて、中組の数軒の家をつぶしてしまった。

その時に転落してきた大きな岩の下敷きになって御子守さんの娘が背負った赤ん坊とともに死んだ。

一説によるとその娘はオミヨという1~2才の少女であったという。

それ以来、村の赤ん坊がひどい夜泣きをしたり、何かにおびえるようになって娘の霊が祟っていると噂された。

落ちてきた大岩からも夜になるとすすり泣きの声が聞こえてきたという。

そこを訪れた旅の僧が娘の慰霊のために石を彫って地蔵の首を作り、巨岩の上に乗せて供養をしたところ赤子の夜泣きもすっかりおさまった。

それ以来、村人たちは首地減に香華をささげて供養を怠ることがなかったという。

ある時、道路が拡張されることとなって首地蔵の巨岩が邪魔になり、岩を割って撤去することとなった。

石屋が岩に穴を開けたところ、その石屋は家に帰った後、高熱を出して苦しんだ。

娘の霊が崇っているということになり、工事は中断されて今でも地蔵は道路端に残され岩が道路に少しはみ出たままになっている。

また、この岩はもとは道路の反対側にあり、道路の舗装工事の際に現位置に動かしたところ、事故が起きて工事人夫が大怪我をしたとも伝えられている。

所在地→山梨県山梨市水口

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