波打ち際の海食洞(洞窟)内に社殿がある『波切神社』




波打ち際の海食洞(洞窟)内に社殿がある『波切神社』

宮崎県の日南市に波打ち際の海食洞(洞窟)内に社殿があるとても珍しく、幻想的な波切神社という神社がある。

この神社の存在はほとんど知られていないが、実は「波切神社」は豊玉姫が神武天皇の父であるウガヤフキアエズ(鵜葺草葺不合命)を産んだとされる岩窟内に建てられている宮崎県内でも屈指の由緒と歴史と知名度を誇る『鵜戸神宮』の境内の中にある!

「鵜戸神宮の社殿」

しかしながらそれほどまでに有名な鵜戸神宮の境内にあるにもかかわらず、まったく知名度もなく、訪ねる人もほとんどいないのは、この波切神社が鵜戸神宮の境内の外れにあり、訪ねるのがかなり大変だからである。

波切神社までの道はとにかく足元が悪く、獣道といった感じの険しい道を登り降りすること約15分程度で到着する。

波切神社を参拝するためには、鵜戸稲荷神社の参道をあがり、右手に階段を進み、さらに山の中の細い参道を約400mほど進む必要がある。正直、こんな道をわざわざ登り降りして訪ねるなんてよほどのもの好きだろうといった感じの道のりである。

しかしながら、この波切神社はそうした悪路を進んでまで訪ねるだけの価値がある!と言い切れる神秘的な空間である。

波切神社の岩窟(不動窟)は鵜戸神宮の岩窟よりもかなり小さいが、天井が低く、頭上に迫っていて圧迫感があるなどそれに勝るとも劣らない幻想的で神秘的な空間である。

また、鵜戸神宮の本殿が波打ち際より約7~8mほど高い位置にあるのに比べて、この波切神社は海抜0mではないだろうかというほどの高さである。

本当に波打ち際がすぐそこに迫っていて、高波の時の参拝は危険だが、これまでに本殿が波で洗われたことはないとのことである。

これは天井を形成している砂岩層が崩落し堤防や消波ブロックの役割を担っているためであるとのことである。

いずれにしてもこれだけ天井が低いと圧迫感がかなりあり、洞内にいるのが少し怖いくらいである。

尚、この波切神社に参拝する際には入口の箒を持って参拝し、お詣りが済んだら、後ろ向きに後ずさりして、箒の目を立てて自分の足跡を消しながら入口までさがるという昔からの厳格な習わしがあり、参道はいつもきれいに保たれているとのことである。

波切神社の社殿。

ちなみにこの神社の脇には不動明王が祀ってあり、別名「波切不動尊」とも言われているという。

1月28日には例祭があり、講社(特に漁師の方々が多い)のお参りがあるとのことである。

所在地→宮崎県日南市宮浦

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