日本三奇の一つである四口の神釜(御釜神社)
この四口の神釜は鹽竈神社の末社である御釜神社の御神体で、古事記・日本書紀の海幸彦・山幸彦の説話で、釣り針を失くして困っていた山幸彦をワダツミの宮へ案内した事で有名な鹽土老翁神が、人々に製塩法を教えた際に使った釜に模して鎌倉時代と南北朝時代に造られたとされる鉄製でフライパン型(円形)の4つの釜で、日本三奇の一つとされている。
この四口の神釜には屋根がないが、ここに湛えられている水は常に溢れることも涸れることもないとされ、江戸時代には世に変事のある時、その前触れとして御釜の水の色が変わるといわれていたという。
また塩釜の地誌「奥鹽地名集」には、釜はかつて七口あり、そのうち三口は盗賊に持ち去られたという伝説が記されているとのことである。
この四口の鉄釜がいつの頃のものか正確なことは不明であるが、江戸時代初期の塩釜の絵図にはすでに描かれているといい、塩釜の地名の起こりであるという。
御神体なので写真を撮ることはできないが、釜守(365日常駐して神釜の世話をする人)の方にお願いして拝観料を納めれば、釜守の方が立ち会いのもと、参拝することが可能である。
一目見て、釜の水はなぜこんなに黄色いんだろ?と思ったが、釜守の方曰く、水がにごっているのではなく、鉄製なので、錆により釜がこういった色をしているとのことだった。
尚、釜の水は海水で年に1回、7月5日に御水替の神事が行われ、海水の入れ替えと釜の清掃が行われるとのことである。
※鎌倉時代製の神釜:内径115cm、 縁厚4cm、 深さ6cm
その他(南北朝製)三口:内径137cm、 縁厚4.5cm、 深さ16cm
所在地→宮城県塩竈市本町6-1
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