「難攻不落な要塞都市」を彷彿とさせる『石垣の里(外泊)』
石垣の里は、お城の石垣を彷彿とさせる、いや、どこぞのお城など比べようもないほどに見事な石垣に目を奪われる集落である。
家はすべて石垣で囲われていて、集落内の道もすべて石が敷かれた道である。
以前はこの地区の道はすべて石畳の道で、通り慣れたこの地区の人々は、山の畑まで敷かれた石畳の道を知り尽くし、自分で踏む石までも決めていたと言われている。
但し、現在では集落内の道は板石に敷き変えられている。
現在、石畳の道が残っている場所は集落の外れの一部のみである。
集落内の道は人が一人通れるくらいの幅しかなく、家々は山の斜面に所狭しとひしめき合うように階段状になって建っている。
集落内を歩くと、その見上げるほどに積み上げられた石垣に圧倒される。
この外泊集落は海に面して作られているため、至るところから海を眺めることができる。
尚、この集落は人口増加により、隣の中泊地区から次男・三男が移り住み、谷を治め、山を開いて作られたのが起源であるといい、その際に出土した石を積み上げ、強風や塩害から家屋を守る塀としたのが、この石垣の始まりであるという。
集落の東の山の中に作られた段々畑を登ったところから、この集落の全景を俯瞰することができる場所がある。
そこからの景観は壮観である。
また、石垣にはくぼみがあって遠くを遠望できるようになっているものがあちこちにある。これは家の中から海や風の様子を見るために作られたもので、その位置に窓を設けたもので遠見の窓と呼ばれている。
さらに、その昔は、畑の作物をイノシシの被害から守るためにこの集落を囲むように石垣(シシ垣)が作られていたそうであるが、残念ながら現在は山の中に埋もれてしまっている。
外泊集落を下から見上げた景観
この石垣の里は下から見ただけではその魅力のホンの一部しかわからないので、是非時間に余裕をもって訪ねてみてもらいたいものである。
石垣は人のまことのつみかさね
所在地→愛媛県愛南町外泊
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