三ツ鳥居(三輪鳥居)(大神神社・檜原神社)
その1:大神神社の三ツ鳥居(三輪鳥居)
『三ツ鳥居』は別名『三輪鳥居』ともいい、我が国最古の神社の一つとして知られる大神神社(大和国一之宮)において、神の山・三輪山と拝殿を区切る場所に立ち、本殿にかわるものとして神聖視されてきたものである。
この大神神社の拝殿の奥は禁足地として普段は神職さえ足を踏み入れない神聖な場所であり、禁足地と拝殿の間には結界として三ツ鳥居と瑞垣が設けられている。
三ツ鳥居の起源は不詳で、古文書にも「古来一社の神秘なり」と記され、本殿にかわるものとして神聖視されてきたことが知られている。
この三ツ鳥居は明神型の鳥居を横一列に三つ組み合わせた独特の形式で、両脇の鳥居の左右には瑞垣が延びる特殊な形式で「三輪鳥居」とも呼ばれている。
中央の鳥居には御扉があり、三輪山を本殿とすれば、三ツ鳥居は本殿の御扉の役割を果たしていると言える。
現在の三ツ鳥居は明治16(1883)年に建てられたもので、国の重要文化財に指定されている。
この三ツ鳥居は拝殿の真後ろにあるため、真っ正面から拝むことはできない。
ただし、拝殿でお参りをするとその奥に三ツ鳥居があり、三ツ鳥居越しに三輪山をお参りしている形になっていて、遠目には三ツ鳥居を見ることができる。
また、参集殿で申し込みをすれは、神職の案内のもと、お祓いを受けた上で、拝殿の側面から拝観をすることが可能である。但し、写真などを撮ることはできない。
所在地→奈良県桜井市三輪1422
その2:檜原神社の三ツ鳥居
檜原神社は大神神社の摂社で、大神神社と同じく三輪山を神山体として崇拝する古い神社形態の神社である。
また、檜原神社は日原社とも称し、古来社頭の規模などは本社である大神神社と同じく、三ツ鳥居を有していたことが室町時代以来の古図で明らかであるという。
尚、現在の檜原神社は本殿も拝殿もなく三輪山に向かって三ツ鳥居が建つのみである。
が、境内はよく整備されていて「玉垣で囲まれた三ツ鳥居が建つだけ」というのが、逆に三ツ鳥居の存在を否でも応でも引き立てていて、とても神秘的で身が引き締まるような空間となっている。
また、この周辺は、崇神天皇が皇居に祀られていた天照大神を移し、伊勢神宮鎮座前に宮があった笠縫邑の伝承地であることから、元伊勢とも呼ばれている。
ちなみにこちらの三ツ鳥居は大神神社のそれと違って写真を撮ることができる。
所在地→奈良県桜井市三輪1422
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