実は鳥取県にもう一つある投入堂『不動院岩屋堂(日本三大投入堂)』
投⼊堂といえば⾔わずと知れた三徳⼭三仏寺の投⼊堂が有名である。
しかしながら、実は⿃取県にはあまり知られていないものの、この三徳⼭三仏寺以外にも「⽇本三⼤投⼊堂の⼀つ」とされるものがある!
その⿃取県に「もう⼀つある投⼊堂」とは若桜町にある『不院岩屋堂』と呼ばれているものである。
不動院岩屋堂は日本三大投入堂の一つで、間口約7m、高さ13m、奥行き10mの天然岩窟の中にある舞台造りの建物である。
この堂は正面3間、側面7間の前方が入母屋造りで、後方は切妻造りの屋根をもち、床下は「三徳山三仏寺投入堂」と同じ造りである。
天然の岩洞に設けられたこの岩屋堂は「窟堂」ともいわれ、集落に残る書上帳や言い伝えを総合すると、大同元(806)年に飛騨の匠が建てたもので、その後、源義経が再興したのが今の堂であると伝えられているが、建築手法(柱、舟肘木、正面の花頭窓、須弥壇周りなどの形式)から、南北朝時代の建立と推定されているという。
往時には周りに七堂もの伽藍があり、百五十石の寺領を有する大伽藍であったが、天正9(1581)年、羽柴秀吉が鳥取城攻めの際にこの付近を焼き払い、岩屋堂(本堂)のみを残してこれらの伽藍は焼失してしまったとのことである。
また、本尊は日本三大不動の一つともいわれ、弘法大師・空海が33歳の時に彫ったと伝えられ因幡の黒皮不動として信仰を集めた黒皮不動明王である。
通常は公開されていないが、毎年3月28日と7月28日には、護摩法要が行われ、本尊の不動明王像が一般公開されるとのことである。
~感 想~
投入堂といえば、何といっても三徳山三仏寺の投入堂である。
他に三大投入堂とされるものがあるなんて露知らず。
が、この不動院岩屋堂は三徳山三仏寺と同じく鳥取県にある。
しかも三徳山三仏寺の投入堂がたどり着くまでに大変な山道を登って行かねばならないのに比べて道路から約30mほどで到着する抜群の立地を誇っているとってもお手軽・お気楽な史跡である。
よく見ると確かに岩窟の中にすっぽりとお堂が収まっている他にはなかなかない見事な景観であるが、三徳山三仏寺の投入堂と同じくお堂に近付くことができないのが非常に残念な点である。
所在地→鳥取県若桜町岩屋堂
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