境内の至る所に「有田焼」による磁器製の焼き物が奉納されている『陶山神社』
陶山神社は「有田焼」で全国的にも有名な佐賀県の有田町にある神社である。
この陶山神社は有田焼が始まる江戸前期に開かれた神社で、江戸時代に「有田皿山宗廟八幡宮」と称された通り、有田町および有田焼繁盛の「陶祖の神」として、有田町を見渡すこの蓮華石山麓の景勝の地に創建されている。
尚、この神社を参拝して真っ先に目に付くのは境内の至る所に磁器製の焼き物が奉納されていることである。
磁器製明神鳥居
中でも拝殿前にある鳥居は『有田の象徴的存在』として知られ全国的にも有名である。
通常、神社の鳥居は石造のものや木製のものが主であるが、この陶山神社の鳥居は磁器製の明神鳥居で、1888(明治21)年に、神事の当番町であった稗古場町が奉納したもので現在では有田町のシンボル的な存在となっている。
鳥居の規模は高さ3.7mで笠木の長さは3.9mと鳥居としては取り立てて大きなものではないが、青色顔料の呉須で唐草文が描かれ、有田焼による大規模磁器製作の技術が遺憾なく発揮されていて、2000(平成12)年4月28日には国の登録有形文化財に指定された。
磁器製玉垣
また、拝殿の奥にある本殿を囲う場所にある玉垣もやはり磁器製の玉垣となっていて、こちらは1846(弘化3)年に製作されたもので2012(平成24)年4月19日に町の重要文化財に指定されている。
玉垣の表面には、呉須による緻密な蔓草文様が、びっしりと描かれていて、各柱の部分に染付された銘により、陶山神社へ寄進された当時の本幸平山の窯焼等の名前が記されているという。
この他にも境内には白磁の狛犬(明治20年・西暦1887年赤絵町十代今泉今右衛門奉納)や大水甕(同22年・中ノ原町奉納井手金作作)、灯篭などが奉納され、有田ならではの風情があり、まさに有田焼の屋外展示会場といった様相を呈している。
磁器製狛犬
磁器製大水甕
他にも境内の至る所に江戸時代から現在までに奉納された焼き物がある。
中には金網の中にあるものもあった。
有田焼の野外美術館とも称されているらしい。
拝殿の前から見た境内の様子。
では最後にもう一度最初からこの陶山神社を参拝してみる。
実はこの陶山神社の境内の中に電車の線路が横切っている。残念ながら電車は来なかった。。。
階段を上がり、線路を抜けたところ。
実はこの写真の左側に写っている「青銅製燈籠」も登録文化財らしい。
この階段を登り切ったところに拝殿と本殿がある。
階段を登り切ると有田町のシンボル的な存在である磁器製の明神鳥居がお出迎えをしてくれる。
社殿の中にも有田焼による磁器製の焼き物がたくさん奉納されている。
所在地→佐賀県有田町大樽2-5−1
関連記事
最新情報をお届けします
コメントを残す