大潮の干潮時にのみ訪ねることができる『白浜神社の御釜』




大潮の干潮時にのみ訪ねることができる白浜神社の御釜(おみかま)

「伊豆最古の宮」とされる白浜神社の本殿向かって右手に今では開かれることがないであろう?木の門がある。

その門の前には『御神釜道』と書いてある石柱がある。

そのまま素直に考えればその門の先には『御神釜』に続く道があるはずである。では、その『御神釜』とは一体何なのか?当然ながらとても気になる。

白浜神社境内案内図によれば、本殿の右手後方に『御釜』という円形の「水を湛えた池のようなもの」が描かれている。それが『御神釜』に違いない。

社務所で聞いたところ、それは「おみかま」と呼ばれているらしく、以前は行くことができたが、今では「おみかま」そのものに加えて「おみかま」へと続く道も崩れてしまっていて行くことができないとのことだった。

Google Mapを見てみると確かに本殿の後方に大きな窪みがあるが、Google Mapで見る限り水が溜まっているようには見えない。

考えられることとしては、現在では水が枯れてしまった、何らかの理由で水が溜まらなくなってしまったなどが挙げられるが、伊豆半島といえば、天窓洞や龍宮窟といった海蝕洞窟の天窓が開いているものがある。

白浜神社の御釜(おみかま)も同じ伊豆半島にある天窓洞や龍宮窟のように海蝕洞の天窓が空いているものなのではないだろうか?そして潮の満ち引きで海水が満ち満ちている時もあれば、海水が引いて枯れているようになっている時もあるのではないか?と推察した。

やはり伊豆半島にはドンボロ現象で有名な三四郎島もある。

潮の満ち引きでひょっとしたら歩いて行けるようになるのではないか?現にこの白浜神社の海中鳥居へと至る道も潮が引くと現れ、満ちてくると海の中へと消えるのだから。

さて、色々と前フリが長くなったが、要は私は「①白浜神社の御釜とは海蝕洞の天窓が開いているもの」で、且つ「②大潮の干潮時であれば海から歩いて御釜まで到達することができるのではないか」という2つの予測を立てたわけである。

いずれにしても行けないと聞けば、是非そこまで行ってみたいと思うのが人情だ。

自分の推測が当たっているかどうかは神のみぞ知るであるが、兎にも角にもあとは実行あるのみである。

下田市の潮の干潮表を見てみると、干満の差は最大で2mくらいありそうである。さらに年に数回干潮時に潮位表基準面上の値がー10センチ以上となる日があることがわかった。私は潮位表を眺めながら干潮時の潮位が-14cmとなる5月18日に作戦を決行することとした。

結論からいうと、私の推察は半分当たって、半分外れた。

海蝕洞へと至る海も海蝕洞の中も完全に海水が引いてなかったからである。

とはいえ、膝下くらいまで海水に入れば海蝕洞の奥まで入ることができた。

そして予想通り、白浜神社の御釜とは海蝕洞の天井が抜けていて、見上げると空が見渡せるいわゆる天窓状態になっているものだった。

海蝕洞の中は一番深いところで膝下くらいまで海水があったが、天窓が開いている御釜のところでまでは海水が入ってなかった。しかしながら、これは干潮時を狙って訪ねたからで、潮位が上がると御釜の中まで海水で満たされることもあるのではないかと思う。

但し、現在では以前社務所でお伺いしたように御釜を取り囲む岩壁が崩落していて、御釜の中は巨石で埋めつくされていて残念ながら奥の方までは進むことができなかった。

それでも巨石をよじ登って御釜の中に入ってみたりもしたが、巨石がゴロゴロしているからか神秘的・幻想的というよりは土砂崩れが発生した災害現場といった感じだった。

可能であれば崩落する前の御釜の姿を見てみたかったがこれは致し方ない。

これ以上滞在すると潮位がどんどん高くなって帰れなくなりそうなので、撤退。

確かに普段の日だったら海蝕洞の中まで海水が満ちていてここまで入って行くことはできないところだ。

帰り道

御釜の位置も分かったので、是非上からも見てみたいと思い、写真に写っている5mくらいの崖を登ってみたところ、それらしきところがあった。

ここから御釜を見下ろすことができた。

上から見ると御釜を取り囲む岩壁が崩落していて、御釜の中は巨石で埋めつくされている様子がよくわかる。

これではもうほとんど原形を留めていないようなものだ。。。

所在地→静岡県下田市白浜

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