まるで「極楽浄土」「あの世」「天国」のような恐山の『極楽浜』




まるで「あの世とこの世」の「狭間」のような恐山の『極楽浜』

恐山といえば『人は死んだらお山さ行ぐ(人が死ねば(魂は)お山(恐山)に行く)』と言い伝えられ、死者の魂が集まる霊場とされる。

実際に見渡す限り、辺り一面に立ちこめる硫黄臭と荒涼とした風景はまさにあの世や地獄を彷彿とさせる。

この恐山は宇曽利山湖の北岸に「境内の諸堂」「地獄めぐり」といわれる荒涼とした景観が広がっていて、やはり恐山はその名の通り「恐ろしい場所」というイメージが強いが、その宇曽利山湖に面した砂浜は極楽浜と呼ばれていて、まるで「極楽浄土」「あの世」「天国」であるかのような景観を醸し出している。

恐山の境内図(パンフレットより)

恐山といえば、どうしても「死者の魂が集まるところ」「地獄のようなところ」「とにかく恐ろしい場所」というイメージが先行していると思われるが、私が思うに、恐山で一番心を鷲掴みにされる景観はまるで「極楽浄土」「あの世」「天国」であるかのような『極楽浜』の景観である。

なお、この「極楽浜」は恐山菩提寺の「硫黄の臭いが立ちこめた荒涼とした無機質な景観の地獄めぐり」の最後にある「賽の河原」を通り抜けたその先にある。

賽の河原を通り抜けた先に広がる極楽浜の景観はまさに「あの世とこの世」の「狭間」の世界であるかのように感じる。

きっと、この極楽浜の先には「極楽浄土」「あの世」「天国」があるに違いない。そう思わずにはいられない景観である。

この景観を実際に目にしたことがない人に口で説明するのは難しい。神秘的で幻想的であるのは間違いないが、この極楽浜の景観の前ではその「神秘的」「幻想的」という言葉さえ安っぽく感じでしまうものがある。

そのエメラルドグリーンで色鮮やかにもかかわらずどこか寂し気な雰囲気を醸し出している宇曽利山湖と極楽を思わせる白砂の浜の景観には本当に心が洗われる。

私はこの極楽浜こそが、恐山の本質であると思っている。

この世の果てというか何というか。

心と体が浄化されるというか何というか。

ただこの場にいるだけで心が澄み渡るような気がする。

しかしながら、これだけ美しい景観にもかかわらず、寂しさや切なさや虚しさを感じる。

抑え切れない込み上げてくるような感情を抱くこともあれば、逆に完全に無になって何も考えられない「無の境地」になってみたりとかする。

現実感のないこの世のものとは思えないその景観はまるで時が止まってしまったかのような感覚に襲われる。

ピーンと張り詰めた空気。

時としてとてつもない脱力感に襲われたりもして、いついつまでもこの場を離れがたいものがある。

吹きずさむ風切り音以外には何も聞こえない静寂の空間。

息を飲むほどに美しい景観ながらも「生あるものは何も存在していない」かのような世界観。

尚、現在極楽浜には2013年に建立された東日本大震災の慰霊塔が建っている。

東日本大震災慰霊塔

ここの景色は来る度に違う。。。

所在地→青森県むつ市田名部宇曽利山3-2

恐山菩提寺の境内の諸堂(堂宇伽藍)の様子

荒涼とした無機質な空間が広がる「恐山菩提寺」の『地獄めぐり』

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1 個のコメント

  • はじめまして、私も宇曽利山湖 極楽浜に行き自然界からのメッセージを感じ取りたく思いました。
    有難うございます。

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