まるで古代遺跡!『日本最大の稲田石採石場(石切山脈)』
日本国内有数の石の産地である茨城県の笠間市には稲田を中心に東西8km、南北6kmにもわたる採掘現場があり、通称「石切山脈」 と呼ばれている。
ここから産出される石は稲田石とよばれ、良質な花岡岩を産出する巨大な石山となっている。
この白く美しい御影石は明治の頃より本格的な採石が始まり、墓石や外壁などの身近な素材のみならず、国会議事堂・日本銀行・最高裁判所などの日本を代表する建築物や、全国各地の鳥居などの厳かな建造物にも広く利用されているものである。
現在まで100年を超える採石が行われてきたが、地下数kmに渡って花岡岩が現存していて、今後50年から100年は採石できると考えられているという。
その稲田石を産出している「株式会社想石」の採石場は東西240m、南北280m、そして地下60mにわたる国内最大の規模を誇る稲田石の採石場である。
現在、採掘場には水が溜まっていて大きな池のようになっていて、湖面に採掘場が映し出されている様子はとても美しいものがある。
また水が溜まっている池の中にはかつての採掘場が埋もれていて、その様子はまるで海中遺跡のようである。
尚、この石切山脈は石切山脈は「株式会社想石」の敷地内にあり、現在は無料で見学できるようになっている。
石切山脈は敷地内にある展示場で受付をした上で見学することができる。
この建物で受付を行う。
こちらの建物の中は稲田石のちょっとした展示場になっている。
展示場にある採掘場を上から見た上空から見た写真。
採掘場は「古墳の石室」のようになっているところもある。
しかも中に入れたりもする!
まるで奈良の飛鳥の石舞台古墳みたいでワクワクする!
また、敷地内では稲田石の魅力と長年継承されてきた石工技術を紹介するために2005年から2011年まで開催された「INADA Stone Exhibition」の20を超える出展作品の展示が行われている。
日本を代表するデザイナーと稲田石匠の技が生んだ数々の独創的なデザインのモニュメントが並んでいる。
稲田石は正式には稲田自御影石(いなだしろみかげいし)と呼ばれていて「みかげ」とは神戸市西方の御影町附近で見られた岩石の和名で花崗岩に相当し、現在では花崗岩に限らず深成岩の石材の名称に広ぐ使われているとのことである。
稲田石の特徴「その1」色調がきれいで柄、組織が均一である!
稲田石は白御影石と呼ばれるようにその白さが特徴で、稲田石は石英33.7%、長石62.4%、黒雲母3.8%、その他0.1%で構成されていて、60%強を占める白色の長石が、稲田石の色調を決定づけているとのことである。花崗岩はマグマが地下深部より地表5Kmから10Kmに貫入し、ゆっくりと冷え固まったもので、このため各鉱物がゆっくりと成長し、ほぼ同じ大きさの鉱物で構成される岩ため柄、組織が均一になるという。
稲田石の特徴「その2」硬く新鮮である!
鉱物の硬さをを示すモース硬度によると、「硬度6ー正長石 硬度7ー石英(水晶)」とされている。稲田石はその90%が長石と石英によって構成されているため非常に硬く、それに加えて稲田石は年代が若く、時間の経過による劣化が少ないため、頑丈に鉱物同士が結合しているとのことである。また、酸に反応しない珪酸分(Sio2)を多く含んでいるため、酸性雨による浸食に対しても高い耐性を持っているとのことである。
所在地→茨城県笠間市稲田4260-1
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